教育資金の一括贈与を考えている方に ~インタビュー~ | ビーバー教授の留学道場

Top>ビーバー教授の留学道場>教育資金の一括贈与を考えている方に ~インタビュー~

教育資金の一括贈与を考えている方に ~インタビュー~

スタート当初は申込者が殺到した「子や孫への教育資金の一括贈与制度」。1年経って見えてきたこと、また、これから利用したいと考えている人への注意点などを文部科学省の高等教育局ご担当者に伺った。

幅広い世帯が利用。教育に対する関心の高さを証明


kouhen1.jpg

―制度が実施されてから、約1年経ちました。利用状況などはいかがでしょうか。

文科省:事前に想定されていたよりも、ずいぶん多いというのが正直な感想です。当初は、多額の余裕資金がある方の利用がほとんどではないかと考えていましたが、報告によれば、1,500万円の上限いっぱいという方だけでなく、数百万円の口座もめずらしくないそうです。むしろそちらの方が多いということで、予想外の反響に驚いています。

―つまり、単なる節税としての利用ではなく、制度の目的を理解してくれた方が多かったということでしょうか。

文科省;そうですね。この制度は節税としてももちろん利用価値がありますが、日本の未来を担う子どもたちの将来に投資をするという意図が込められているのです。わが子、わが孫の将来を家族全員で考え、そのために資金を遺したい、そういう思いをバックアップできる制度だと理解いただければ嬉しく思います。 最近では出産の高齢化も進んでいますから、必要な時にその都度援助を受ける、という方法だと、高校進学や大学進学など一番教育資金がかかる時期にすでに祖父母が亡くなっていて頼めないという場合も多いのです。この制度を利用すれば、将来どんな状態であっても、確実に教育資金を遺すことができます。


―親世代としては、ずいぶん助かりますね。子どもも資金を心配することなく、教育を受けられる

文科省:資金的な見通しが立つことにより、可能性が広がるということはありますね。やりたいことがあっても資金がないために諦めざるを得ない、ということも減るのではないでしょうか。 また、親世代には、本来教育資金に充てるはずだった分を、その他の消費に充ててもらうこともできる。経済対策にも役立つと期待されています。

留学にも活用可能。対象の目安は支払先が教育機関かどうか

―対象となる教育費の中には、留学も入っていますね。しかも、高校、大学・大学院といった正規留学だけでなく、語学留学も対象になっています。

文科省:グローバル化が進むこの時代、世界を知らずに一生を過ごすことは難しいと言えるでしょう。そして、そのためには言語習得が必要不可欠です。民間企業は英語公用語化が進んでいると言われますが、文科省でも一部の省内幹部会議を英語で行うことが決定しました。若いうちに海外に出かけ、その国の言語を学んだり、文化に触れたりすることは大きな教育効果があると考えています。

kouhen2.jpg

―「トビタテ! 留学JAPAN」というイベントでは下村大臣も、「海外に行くことで興味や関心、視野が広がり、人生を前向きに、アクティブにチャレンジできるパワーが身に付く」とおっしゃっていますね。

文科省;そうですね。可能性をなるべく幅広くとらえ、どんな進路を希望していてもなるべく応援してあげたいと考えています。  

―最近では、ゴルフやテニス、水泳、バレエなど、最近では海外で技術を学ばれる方も増えています。そういった留学も対象に入るでしょうか?

文科省:コーチやレッスン代金など、そこでしか得られない教育環境を求めて渡航したことが明確なら、対象になります。手続きとしては現地で学校やスクールといった教育機関から領収書や支払の証明などを得られれば大丈夫です。

―逆に、対象にならない費用としてはどんなものがありますか?


zouyo2.jpg

文科省:渡航費や住居費、ホームステイ代、現地での生活費などは含まれません。ただし、学校の寮に宿泊する場合で学校に寮費を支払う場合は対象になります。現地でのアクティビティ代 は内容によります。観光のようなものは入りませんが、学校でなくても何か勉強を習ったり文化芸術、スポーツなどを習っているのであれば上限500万円の対象に含まれる可能性はありますね。おおまかなイメージとしては、支払先が教育を実施している機関で なにか指導を受けているのならば対象内、それ以外であれば対象外ということです。

―日本からの航空券や現地での宿泊、アクティビティなどがパッケージになっている短期留学などはどうでしょうか。

文科省:その場合は、送金額内の、学費にあたる部分のみが対象となります。旅行代理店、留学手配会社などから、明細を発行してもらうといいでしょう。

―なかなか手間がかかりますね。留学の内容もよく考えなくてはいけないようですね。


39cd8174c184bef8bb38154a5e342dae.png

文科省:そうですね。ただ、最初にも申し上げたとおり、これは単なる節税対策ではなく、教育に有効に資金を活用するという制度なのです。であれば、この制度の対象になるよう留学をプランニングする、というのでは本末転倒。あくまでも、先に目的ありきで、それが該当するようなら、この制度を使っていただくという方がいいでしょうね。いずれにせよ、取扱は金融機関を通じて行うことになります。したがって、いくら専用口座に入金するのか、対象範囲はどこまでなのかなど、事前に必ず金融機関とよく相談し、確認し、計画性をもって利用されることが大切だと思います。また、文部科学省でもQ&Aなどを出していますので、そちらもご確認下さい。

―なるほど。まずは何のためにどんな教育を受けたいかの見通しを家族で共有し、それに従ってこの制度でどれだけの資金を活用するか、ということを考えるということですね。

文科省:はい。資金を無駄なく使えるだけでなく、その話し合いを通して、子どもが自分の将来を考えるきっかけになったり、目標を高く持ったりすることにもつながるかもしれませんね。

c046385485619a68f40bd6036314eb22.png

留学もこれからの人材に必要との国からのメッセージ。活用者はそれに応える努力を

この制度が留学にも広く活用できるようになっているのは、これからはもっと外にも目を向け、さまざまな可能性を広げてほしいという、子どもたちへの文科省からの、というよりも日本という国からのメッセージと受け取っても間違いないじゃろう。

  ただし、「税金分得をした」と節税効果だけを喜んでいてはいかん。その税金は社会福祉など他のことに使われるはずだったかもしれないお金。この制度を利用したからには、しっかりと勉強してもらわんといかんな。

957091f677ee47a646e42f4eae48c528.png

大切なのは、得か、損かという側面だけでこの制度を利用するのではなく、子どもにどういう人になってほしいのか、あるいは子ども自身がどんな将来を描くのか、ということを明確にすること。そして、そのために何にいくらかかるのかを見積もり、その金額分だけ口座に入金するといいじゃろう。

  家族構成も、家庭の事情はさまざま。教育資金は全部この制度を利用するのではなく、都度の援助や保険の活用なども含め、幅広い方法で資金を準備しておけば、安心じゃな。

>>>ページトップへ戻る


  • 教育資金の一括贈与を考えている方に ~インタビュー~

ページトップへ