第68回<英検® >
留学&大学入試改革の行方

英検のイメージ  高校のときに、誰でも一度は英検®を受けたことがあるのではないでしょうか。あるいは小学校で英検Jr. ®にチャレンジしたという人もいるかもしれません。全国で366万人(2017年4月1日~2018年3月31日 英検IBA®、英検Jr. ®を含む)が受験するという英検®ですが、その英検®が海外留学の資格として認められていることをご存じですか? 今回は公益財団法人 日本英語検定協会教育事業部担当に、英検®の特徴や活用の仕方、2020年からの大学入試における英検®の位置づけについて伺いました。

■知っているようで知らない英検®のこと

―世の中に英語の検定試験はたくさんありますが、英検®の特徴とは?

英検:英検®は、東京オリンピックの前年の1963年に、日本人の英語力を高めることを目的にスタートしました。もともとの目的は生涯学習ですから、受験料も安く、小学生から社会人まで幅広い層に受けていただける試験となっています。現在、366万人が受験しており、最も多いのは中高生で、280万人が受験しています。

■英検®で留学できるって本当?

海外の留学生

―留学時に英語力の証明が求められますが、一般的にはIELTSや、TOEFL、TOEFL iBTのスコアを提出することが多いですよね。英検®でも留学できるのですか?

英検:2004年から、英検®も海外留学の際の語学力証明試験として使えるようになりました。現在、アメリカの388のカレッジや大学が英検®を語学力証明試験として認定しています。オーストラリアでは26の高等学校が、カナダでも13のカレッジや大学が認定しています(2017年9月時点)。英検®で留学する学生は年々増えています。

―どのくらいのスコアがあればいいのでしょうか。

英検:学校によって異なりますが、最低2級以上が求められます。アメリカの場合、英検®2級だと2年制のコミュニティカレッジに進学することができます。準1級や1級を取れれば4年生大学にも可能性が広がります。コミュニティカレッジ卒業後、4年制大学に編入するという人も多いです。

詳しくは、こちらのサイトで、学校ごとの情報をご覧ください。https://www.eiken.or.jp/eiken/abroad/

―英検®2級レベルだと、現地のオールイングリッシュの授業についていけるでしょうか。

英検:英検®2級は、高校卒業レベル。学校の授業の内容をきちんと理解していれば取れる基礎的な内容です。留学先ではもっと高度な英語が求められますので、英検®2級はあくまでもスタート地点と考えてください。

現地に行ってから最初の数カ月は苦労すると思いますが、1学期が終わる頃には慣れ、そこからステップアップしていく方が多いです。

英検®によって留学のハードルが下がることのほうに価値を見出していただければと思います。

―英検®で留学するメリットは?

英検:一番に、受験料がリーズナブルであること。IELTSや、TOEFLは2万円以上かかりますが、英検®は2級で6,500円、準1級で7,600円、1級で9,500円です(2019年度より)

また、中学・高校で受験することが多く、試験に慣れているため対策も立てやすい。過去問や試験対策の教材が充実している点もメリットです。

■大学入試改革による、民間の英語検定試験導入の行方は?

英検の勉強をする女性

―2020年度から大学入試センター試験が大学入学共通テストに変わり、英語は、民間の英語4技能試験を使うことになります。これについてはどうお考えですか?

英検:グローバル社会において、英語は必要不可欠ですし、実用的な英語力を身につけるためにも、4技能試験(=読む、聞く、話す、書くの4技能を測る試験)を行うことは正しい選択です。しかし、各大学がこれからその体制を整えるのは現実的に難しい。すでに実績のある民間試験を活用するという方向性は間違っていないと思います。

―現在、ケンブリッジ英語検定、英検®、GTEC、IELTS、TEAP、TEAP CBT、TOEFL iBT、TOEIC L&R+S&Wの8試験が採用されていますが、さまざまな試験があってどれを受けたらいいか迷う人も多いのでは?

英検:英検®は、従来型の試験に「話す」試験を加えた新タイプが採用されますが、筆記試験は従来どおりなので、なじみがあって受けやすいと思います。

TEAPは、4技能を測るテストとして、2014年から上智大学と5年の歳月をかけて開発されたもので、高校の学習指導要領とも合っています。留学を含めた大学教育で遭遇する場面を考慮した内容で、これから大学を受験する高校3年生には適したテストです。

その他の試験もそれぞれ特徴があるので、自分の将来の目的とも照らし合わせて考えるといいと思います。また、テストにも相性があります。過去問やテストのサンプルを見て自分に合うかどうかも判断材料になるかもしれません。

認定された8つの試験のどれを採用するかは、大学ごとに方針が異なります。東京大学や東北大学、慶應義塾大学などは、民間試験は採用しないと発表しましたし、まだ方向性を発表していない学校もあります。基本的に、国立大学は8つの試験全てを採用するはずですが、個人的には、本来は各大学が大学のアドミッションポリシーに応じてどの試験を採用するか決めるべきだと思います。

―混迷しているようですね。受験生からしたら不安ではないでしょうか。

英検:どのような方向性になったとしても、4技能が必要なことは確かですから、しっかり勉強を続けてほしいですね。英検®などの検定試験は、自分の今の実力や弱点を知ったり、目標設定をするためのツールとして大いに活用すればいい。

われわれ試験を作る側としては、みなさんがしっかり勉強した結果としての英語力を、正しく測る試験を作ることが使命と考えています。

ビーバー教授の解説

いかがじゃったかな。英検®は気軽にだれでもが受けられる、日本で最もなじみのある試験じゃ。自分の実力を知るために受けることはもちろん、「何級を取る」という目標を掲げることで勉強のモチベーションを高めることにも利用するといいぞ。
しかも英検®は、留学時の英語力を証明するテストとしても認められているんじゃ。IELTSやTOEFLはハードルが高いと思っていた人には朗報かもしれんな。

2020年の大学入試改革によって、共通テストの英語は、民間の英語4技能試験を使用することになった。受験生は、高校3年生の4月~12月の間に受検した2回のうちの良い方のスコアを提出すればいいわけじゃが、問題はどの試験を受けるかじゃな。大学ごとに採用する民間試験が異なるようじゃし、方針を発表していない大学もあるから、受験生もやきもきするじゃろう。

どちらにしても、自分の将来を考えて、4技能はしっかり勉強しておいたほうがよさそうじゃぞ。

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