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第40回<英語教育>英語が話せたら楽しい!という経験を増やして。

留学の必要性についてインタビューを受けるデイビッド・セイン

デイビッド・セイン(David Thayne)
米国生まれ。翻訳家・通訳・英会話教師として活動。日本で30年近く英語を教えており、これまで教えてきた日本人生徒数は数万人に及ぶ。また、『その英語、ネイティブには失礼です』 (青春文庫)『まいにちのキッズ英会話31日間プログラム』(主婦の友社)など、200以上の英語関連本を著している。現在、英会話教室の運営、翻訳、英語教材制作などを行うクリエイター集団「エートゥーゼット」を主催。日本人に合った日本人のための英語マスター術を多数開発する、日本における英会話教育の第一人者。

『ネイティブはこう使う!』(西東社)シリーズなどの著書で知られるデイビッド・セイン(David  Thayne)さん(以下D.T.さん)。日本に暮らして30年になるという。子どもから大人まで、幅広く、英語を教えてきた経験をふまえ、日本人がなぜ英語への苦手意識がなくならないのかうかがった。

日本人は、英語を数学のように学んでいる!?

―日本人は英語が苦手と言われて久しいですが、なぜ日本人の苦手意識はなくならないのでしょうか。

D.Tさん:日本に来たばかりの頃、学校の英語の先生と話したら「私は英語が全然できなくて…」と言うので、てっきり謙遜だと思ったのですが、本当にできなくてびっくりしました(笑)。でも、それは会話の話。その先生に限らず、日本人は、文法など、英語の知識はとてもあるんですよ。アメリカに来た日本人に、文法のテストをしたらどこの国の人よりも高得点です。もしかしたらアメリカ人よりできるかもしれない。でも、会話となると全然違う。

日本では、英語を数学と同じ概念で教えているように思います。

数学だと、問題を見たら瞬時に、知っている公式の中のどれを使って答えたらいいかと考えます。英語も、たくさん覚えているフレーズの中のどれを使えばいいか、単語はどれを使えばいいか、と考えて、一つの正解を出そうとする。

でも、たとえば“How are you?”と聞かれたら、それは気持ちを聞かれているのだから、「どの文型を使えばいいか」ではなく「自分は今どんな気分だっけ?」と考えなければならないのです。

会話ができると楽しい!という経験を子どものうちからさせてほしい

―文法よりもまずは会話が大事だと?

D.T.さん:いえ、文法は大事ではないと言うつもりはありません。正しい英語を話すためには きちんと学ぶべきものです。ただ、小さい子どもに英語を教えるのに、これが主語でこれが動詞で、と文法からやってしまうと、英語を学ぶことって文法を学ぶことなんだって思ってしまう。それで英語が嫌いになってしまうかもしれません。

そうではなくて、英語って会話なんだよ、キャッチボールなんだよということを先に体験してほしい。英語で何か言ったら通じた、相手が何か返してくれた、楽しかった、という経験のほうが先にあって、それから、実はさっきの文型はこうなんだよ、と文法的なことを知っていく。それが本来の学び方だと思います。

人はみな、本能的にだれかと話したい、コミュニケーションしたいという欲求を持っています。「コミュニケーションができて楽しかった」と思えば、それがモチベーションになって、もっと英語を勉強しようと思うはずです。

―英語は楽しいんだ、と感じることがまず大事だということですね。そうなると、先生の責任は重大ですね。

D.T.さん:無理に教え込もうとしないことですね。たとえば、学校に上がる前のお子さんをお持ちのお母さんに言いたいのですが、子どもに英語の絵本を読んで聞かせようとするよりも、お母さんが楽しそうに絵本を読んでいる姿を見せるほうがずっといい。お母さんが好きなことは子どもも好きになるものです。「楽しそうだな、何だろう」と子どものほうから寄ってくると思いますよ。「座って聞きなさい」と言われて聞かされてもちっとも楽しくありませんから。

学校の授業は、教科書からしてよくないですよね。「Billはパンを買いに行きました」とか言われても、ビルなんて知らないし、パンなんて欲しくないし(笑)。でも、自分のことを話すのなら楽しい。

人間って、楽しくないことは身に付かないものです。

とくに会話としての英語は、心に深く関係するものですから、嫌いではうまくならないのです。小さい頃英語が嫌いだった、という人で、英語が上手になった人は見たことないですよ。

―英語を好きになってもらうにはどうすればいいでしょう。

D.T.さん:まずは、英語を使って楽しい経験をたくさんしてもらうこと。それから大人たちには、「英語ができればいい大学に入れる」「たくさんお金を稼げるよ」ではなくて、「世界中の人と話ができたら楽しいよね」ということが伝えてほしいですね。

英文を読むときも、心の中で、著者に話しかけながら

―英語の効果的な勉強法はありますか?

D.Tさん:日本にいると、英語を話す機会はほとんどありませんから、英語が上達するには難しい環境です。ですから、やはり留学をするのが一番だと思いますが、日本にいても英語がとても上手な人はいます。私は、アメリカで日本語を勉強していたときは、日本語の新聞を読んで勉強していました。それはとても力になったと思っています。読めるようになれば、話せるようになります。会話で色々なフレーズを覚えても、1週間もすると半分は忘れてしまうものです。でも、読んで覚えたフレーズはなかなか忘れないものなのです。

英文を読むときに、「この単語の意味は?」とか「文型はどれ?」と考えながら読む人は多いと思います。でも、それよりも「へえ、そうなんだ」「そうは思わないよ」「なるほど」と、著者と会話するつもりで読むほうがずっと効果的です。会話と同じで、気持ちが大事なのです。

留学しさえすればいい、でとどまらないで

―留学は、会話力のアップに有効ですか?

D.Tさん:留学は確かに英語力の向上には有効です。でも留学の価値はそれだけではない。実際に外国に住んで見聞きした経験や、世界には色々な価値観があると知ること。そっちのほうが重要かもしれません。

ただ、気がかりなこともあります。留学をすれば、誰でも日常会話くらいはできるようになります。すると「このくらいでいいや」と満足してしまって、それ以上伸びない人もいるのです。残念なことですよね。いずれ、自動翻訳機や人工知能が発達すれば、日常会話はそれらがやってくれるでしょう。きちんと自分の意見を伝えたり、相手の意見を理解するためには、ただ留学しさえすればいい、ではなく、きちんと勉強をしてほしいと思います。

―日本人は議論ができない、意見が言えないと言われますが、どうすればいいと思いますか?

D.T.さん:アメリカでは小学校のときから議論をすることや意見を言うことを学ばされます。大学や大学院に入ったら、授業はほとんどが議論ばかりです。

でも私は、日本人は意見が言えないとは思っていません。1960年代~70年代の安保闘争や、成田闘争などに見るように、大きなデモも頻繁にありました。世界の人は、日本人は意見を言えないとは思っていませんよ。だから、日本人はもともとあった力を取り戻せばいいだけではないでしょうか。

それからぜひ皆さんにお伝えしたいことがあります。「意見を言いなさい」と言われると構えてしまう人が多いですが、英語でOpinionというのは、“たいしたことのない思いつき”くらいの意味なんです。あとで「やっぱり違ってた」と変わってもいいし、聞く側も、軽く聞き流していい。ちゃんとした意見はPositionやStanceと言います。これは簡単に変えてはいけません。ですから、「あなたのオピニオンは?」と聞かれたら、間違ってもいいからとにかく何か返す。その気持ちが大事だと思いますよ。

 

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