第1回<グローバル教育>
最近話題の「秋入学」について教えて!

東京大学外観

東京大学が導入を検討しているということで、注目度が一気に高まった「秋入学」。 今まで4月だった入学を、欧米などの大学と同じく9月にしようというものだ。 しかし、何十年も続いてきた4月入学を、今なぜ変更しようとしているのだろうか?

日本も昔は秋入学だった!

海外の大学

――日本の大学はそのほとんどが4月入学。入学式といえばサクラがつきものというイメージがあるけど、海外では違うの?

Dr. ビーバー:アメリカ、イギリスをはじめ、世界の約7割の大学が9月・10月に入学する制度になっているんじゃよ。実は日本でも、明治時代には秋入学が一般的だったんじゃ。欧米の教育制度を「輸入」したからじゃな。しかし、大正10年に制度が変わってから約50年間、4月の入学が続いているんじゃ。

――知らなかった! でも、どうして春に変えたの?

Dr. ビーバー:明治20年に、教員養成学校が4月入学を導入したのがはじまりなんじゃ。日本では会計年度が4月から始まるところが多いじゃろ? だから学校もそれに合わせた方が都合がよかったんじゃな。そこで、小学校や中学校も4月入学を採用し、だんだんと大学進学率が高まった大正時代に、大学も入学時期を切り替えたというわけじゃ。

――当時は「高校」がなかったんだよね。ということは、3月に中学を卒業してから大学に入るまで半年もの間、時間を持て余してしまうということ?

Dr. ビーバー:その通り。そして今、問題になっているのも、まさに同じなんじゃ。高校を3月に卒業して大学に入るまでの半年間をどうするか?ということが、秋入学をめぐっての議論のひとつになっとるんじゃな。

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ギャップイヤー(空白期間)を生かすもムダにするも自分次第!?

海外の大学の授業

――ギャップイヤーやギャップタームと言われてるものだね。「受験勉強から解放されて、半年間遊べる! ラッキー」というのじゃダメなのかなあ?

Dr. ビーバー:こらこら。そういう気持ちになるのはわからんでもないが、これからいよいよ自分の好きな勉強ができるという時に、その準備もせず、ただ遊んでばかりいるのはもったいないと思わんか??

――うーん。じゃあどうすればいいの?

Dr. ビーバー:例えばアルバイトやボランティアをして、社会を見るというのはどうじゃ? これから自分が大学で学ぶことが社会とどうつながっているのかがわかれば、大学に入ってからのやる気もアップするじゃろう? 海外留学もいいぞ。今はどんな分野を学ぶにしても世界の動向を無視しては進められん。海外の文献のひとつも読めなければ、レポートのための調べものがはかどらないという話も聞くから、語学を身に付けておけばきっと役に立つぞ。

――海外留学か! 実は大学に入ったら行きたいと思っていたんだ!

Dr. ビーバー:おお、そうだったか。ただし、大学生は意外と忙しいんじゃ。毎年決められた数の単位数を取らないと卒業できんぞ。特に1、2年生の間は必修科目などたくさん授業がある大学が多いから、行きたいとは思っているものの、なかなか行けないと悩んでいる大学生も多いらしいぞ。

――ふーん、そうなんだ。語学を学ぶだけじゃなく、海外の提携校とかに通う交換留学にも興味があったんだけど……

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世界中の大学の中から自分に合った大学を選べるようになる!?

Dr. ビーバー:秋入学になれば、交換留学には行きやすくなるじゃろうな。

――え、どうして? ……あっ、そうか! さっき教授が言ってたように海外の大学の多くは秋入学だったよね。だったら、同じように秋から学期が始まる方が、スムーズに留学できるというわけか。

Dr. ビーバー:そうじゃな。日本から留学に行きやすいだけじゃなく、海外からの留学生が来やすいということでもあるぞ。

――なるほど。留学先を探している海外の大学生が、日本の大学も選択肢のひとつに加える可能性が大きくなるかもしれないんだね?

Dr. ビーバー:そうじゃな。もちろん、学期の始まる時期だけが重要なわけじゃないぞ。その大学自体に「ここで学びたい」という魅力がないと、留学に来たいとは思わないだろうからな。しかし、せっかくそういう魅力があるのに、学期の始まる時期が違うという理由だけであきらめていた学生にとっては、秋入学は大きなメリットがあるというわけじゃ。

――日本の大学の多くが秋入学になれば、日本人の学生にとっても、世界の学生にとっても、より多くの選択肢の中から自分に合った大学が選べるようになるというわけか。

Dr. ビーバー:語学力があれば、という条件付きじゃがな。逆に、語学力がないと選択肢がうんと狭まってしまうことにもなるかもしれんぞ。海外からの留学生が増えれば、いや、増やすためにも、日本の大学の授業も英語で行われるようになるかもしれん。そうなると、語学力がない学生は日本の大学ですら入りづらくなるということになることだって考えられるんじゃよ。

――そ、それは困るな……。

Dr. ビーバー:ちょっと脅かしすぎたかな(笑)。あくまで可能性の話じゃ。どんなことにもメリットとデメリットがあるという話もしておいた方がいいと思ってな。

――いつごろから秋入学は始まりそうなの?

Dr. ビーバー:東大は2015年の全面秋入学をめざしているといっているぞ。そのほかにも、多くの国立大学や私立大学が検討を始めているが、東大のように秋入学一本に絞らずに、春・秋の入学を併用させるところやセメスター制を導入して学期ごとに入学できるようにしたいと考えている大学もある。全国の大学が一斉に秋入学になるというわけではないかもしれんな。

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