帰国者座談会!留学生活で得たことは?

dsc_04432013年10月より開始した「トビタテ!留学JAPAN」の主な取組のひとつとして、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~が2014年からスタート。2020年までに民間企業と団体から200億円を目標に寄附を募り、1万人の意欲と能力ある若者の海外留学をサポートすることを目指している。2014年は大学生だけ、2015年から高校生コースもスタート。このプログラムを活用して留学した学生たちに、留学中の体験について語ってもらった。

なぜ、留学しようと思ったのですか?

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中川瑛くん(中央大学4年)  留学期間:2014年9月~2015年6月(当時大学3年)  留学先:フランス・ストラスブール大学政治学院 現地での専攻:政治哲学史、国際法、国際政治など。

中川君:大学1年生のときに、オックスフォード大学に一ヵ月間留学し、国際人権法と政治哲学を勉強しました。そこに集まっていた学生は、英語はもちろん、3か国語以上話せる人が多く、国際組織で働くなら英語以外に、もう一言語ぐらい覚えておいた方がいいと思って、フランスへの留学を決めました。

田中君:高校1年生の時に韓国に2週間行ったことがあり、留学の楽しさを経験していたので、もう一度行きたいと思っていましたアジアへの留学を経験した後で、次はアメリカと決めていました。

梅原さん:テコンドーの試合で海外に行くことは多く、韓国にも練習や試合で何度も行っていました。韓国のテコンドーの先生たちとも交流があり、韓国への留学を誘ってもらうこともあり、「いつか留学したい」と思っていました。

「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」を知ったきっかけは?

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梅原麻奈さん(東京女子体育大学1年) 留学期間:2015年6月~9月(当時鎌田女子高等学校3年) 留学先:韓国 現地での専攻:テコンドー、韓国語(語学学校)

中川君:僕は一期生だったので、事前情報はありませんでしたが、大学の国際センターの人に勧められて受けてみました。オックスフォード大学に一か月留学した時も、学内の奨学金をもらって行ったのですが、経済的な問題で、「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」がなければ、長期留学は実現しなかったと思います。

田中君:僕は、2014年に大学生の一期生が飛び立ったのは知っていました。翌年、高校生コースが創立されたので、申し込みました。「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」を通じての留学だと、競い合える仲間を見つけますし、経済的なサポートがあることも大きな理由でした。

梅原さん:テコンドーで留学はしたい気持ちはあったのですが、経済的に無理だと思っていました。そんなとき、大学のキャリカ課の先生に「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」を勧められ、親にも相談して、とりあえず受けることにしました。

 

日本での事前勉強は?

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田中雄也くん(早稲田大学1年)  留学期間:2015年夏3週間(当時高校3年生) 留学先::アメリカ・イエール大学(サマ―プログラム)。 現地での専攻:クリエイティビティ、クリティカルシンキング

中川君:僕には、社会問題を解決したいというモチベーションがあり、大学一年生の時から15時間ぐらい勉強していました。フランス語は、大学の第二外国語で履修していましたが、基本的に独学です。僕は多言語の学習経験があり、自分なりの語学の学習方法を確立しています。フランス語も、教科書を1~2周読んで、その言語の仕組みを覚えたあとは、例文・和訳・音声付きの単語集を買って、ひたすら勉強しました。

田中君:僕は、英語に関しては受験勉強のほかは、CNNなどでリスニングを強化しました。

梅原さん:韓国は何度か行っていたので、多少の韓国語は知っていました。

現地での生活について、教えてください。

中川君:哲学、開発経済、国際法など専門の授業ばかり受けていましたが、フランス語で地獄を味わいました(笑)。授業では先生がずっと話つづけるのですが、聞き取れないとノートも取れません。前年の授業のノートを入手して、単語をひたすら調べて、授業の展開を頭の中に入れる、というような予習を毎日していました。また、毎週約15人のフランス人と、日本語とフランス語の交換レッスンを行い、会話力やリスニング力を鍛えました。

最初の一か月ほどは、留学生向けのパーティーなどに積極的に参加したのですが、友だちができず、「友だちを作らないといけない」という思い込みを捨てて、研究に没頭しました。結果的に、毎週末、5~6時間も英語やフランス語で哲学について語りあえる友だちができました。

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田中君:毎日、朝9時から夕方5時まで授業でした。どのクラスも10人ほどの少人数なのですが、その中で3~4人のグループに分かれて課題に取り組む内容でした。授業は、ディスカッション、プレゼンテーション、スピーチで占められていて、授業後にはエッセイなどの宿題に取り組んだり、深夜までグループディスカッションを行ったり。その後、友だちとビリヤードなどをして遊び、朝5時ぐらいに起きて授業の予習をする、という毎日を繰り返していました。

梅原さん:午前中は語学学校で韓国語の勉強をして、そのまま道場へ行き、午後3時から夜の11時ぐらいまで、テコンドーの韓国代表コーチ、代表選手と一緒に練習していました。

語学学校は、外国人ばかり。そういう環境も初めてだったので最初はとまどいました。韓国語のクラスは、一番下のクラスからスタートしたのですが、授業は英語で行われるので、英語が苦手な私は苦労しました。クラスが上がり、先生が韓国語で説明してくれるようになってから、だんだん楽しくなりました。宿題が多く、朝までかかることもありましたが、学校でできた友だちが助けてくれて、卒業認定をもらえました。

道場でも、テコンドーの教本の英語と韓国語をノートに移すように言われ、そちらも大変でした。後半は女子が一人だったために、私も男子メニューをこなすことになり、辛いこともありましたが、「あれを乗り越えられたから何でもできる」という自信につながりました。

留学で得たものは?

中川君:どんな場所でも、宗教や国籍などが違っても、深くわかりあえる人は少数ながらいる、ということを実感しました。研究に没頭する経験ができたおかげで、研究者として生きていく覚悟もできました。

また、「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」留学生との交流がかけがえのないものとなっています。

帰国後に、「トビタテ・シェアハウス」を設立したのですが、そこに住む仲間の生き方を見ていたら、「自分は何がしたいのか」ということを深く考え、追及するようになりました。

dsc_0430また、たとえばフランスのワインをお土産に、ドイツにいるトビタテ生のところに遊びに行くと、タダで泊めてもらえる、という「ヤドカリプロジェクト」を作ったりもしました。

田中君:専門に限らず、「好奇心を持ったことは何でも学ぼう」という気持ちが湧き上がってきた。また、「一生懸命がんばって、遊ぶ」ということの楽しさを味わうことができました。

漠然と、アメリカの大学に長期留学することを考えていましたが、今回の短期留学で、本当にアメリカに行きたいのか、自分を試す機会となりました。

梅原さん:留学中に現地でユニバーシアードが開催され、目の前でテコンドーの試合を観ることができました。目標が明確になり、帰国後も練習をがんばろうという気持ちになれました。

三か月間一人で生活して、今まで親がどれだけ支えてくれているか、ということに気がつきました。

日本に一時帰国した時に、周囲の人からも、「顔つきが変わった。成長したね」と言われました。

将来の夢は?

中川君:人権保障に携わるのが僕のテーマですが、研究者(制度設計)、表現者(小説を書く)、実行者(問題を発見し、人を巻き込み実行する)の3つの軸で、社会に大きな影響を与えていきたいと思っています。

田中君:やりたいことがいくつかあるのですが、情熱を持って本気でやれるかというと疑問が残るので、長期留学にも挑戦して、本当にやりたいことを見つけたいと思っています。

梅原さん:メダルを取って、国際大会で日本の国旗を揚げたいですね。韓国には、良い道場、優れた指導者、仲間がいますが、日本は指導者も仲間も少ないのが現状です。日本でもテコンドーの環境を整え、後輩の育成にも携わっていきたいです。大学の4年間できちんと勉強して、技術だけでなく、メンタルや体のケア、食事など、多方面から選手をサポートできる指導者になりたいです。