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第38回<英語検定>変わるTOEICテスト!社会背景に合わせて変化する内容とは

英語でのコミュニケーション能力を測定する世界共通のテスト、TOEICプログラム。2015年には、150か国、約700万人が受験し、アジアや欧米など約14000の企業・団体等が活用している。TOEICプログラムの開発機関であるEducational Testing Service(ETS:米国ニュージャージー州プリンストン)は、2016年5月からTOEICテストの出題形式を変更することを決定した。その背景と変更点について、TOEICテスト、TOEIC Speaking & Writing (TOEIC S&W)、TOEIC Bridgeの運営・実施を行う一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の三橋主席研究員にお話を伺った。

TOEICテスト変更の経緯と具体的な変更点とは

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一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 R&D室 室長 R&D主席研究員 三橋 峰夫氏

―TOEICプログラムの中で、今回変更されるのはTOEICテストのみですが、なぜTOEICテストの形式を変更することになったのでしょうか。

TOEICテストは、「一般社会のコミュニケーションで使う英語を題材にする」という理念があり、ETSでは、TOEICテストが今の時代の英語コミュニケーションを反映した内容かどうか、常に検証してきました。前回内容を変更してから10年が経ち、社会ではテクノロジーの発達やコミュニケーション・スタイルの変化などがみられました。そろそろテストの内容も実社会に合わせてアップデートする必要がでてきたということです。

―具体的にどのような変更がおこなわれるのでしょうか。

リスニングであれば、これまでの会話問題は2人の会話が主でしたが、今回のリニューアルで3人による会話が増えます。さらに、これまでは一人が最後まで話し終わってから、もう一人が話し出す、という感じで言い回しもフォーマルでしたが、今回は、一人がすべて話し終わらないうちに、二人目が会話をかぶせる、というパターンも入り、よりカジュアルになっています。”going to”が“gonna”と表現されるなど、省略形を含む会話も含まれます。

―なるほど、より実際のシチュエーションに近い自然な会話を聞き取る力が試されるということですね。

そうですね。ビジネスシーンで図表などの資料を見ながら会議をしたり、地図を見ながら会話をしたりといった場面を想定して、音声と視覚素材を結び付けて回答を導き出すような設問も加わります。また、たとえば ”I can’t believe it.” であれば、直訳すれば「信じられない」となりますが、驚きなのか喜びなのか、それとも怒っているのか、その意図を問うような設問も加わります。

―リーディングセクションの変更点についても教えていただけますか。

短文穴埋めの設問が10問減り、長文穴埋め設問は4問増えます。リスニングと同様に、書き手が暗示している意図を問う設問も加わります。また、文書の全体的な構成を理解しているかどうかを問う設問も加わります。具体的には、文書内の空欄に最も適切な一文を選んだり、新たな一文を挿入するのに最適な箇所を選んだりする問題です。

コミュニケーション・スタイルの変化に伴う変更点としては、テキストメッセージやオンラインチャットなど、複数名がやり取りを行う設問が加わります。

―マークシート方式の一斉客観テストである点、リスニングセクション(約45分100問)とリーディングセクション(75分100問)の2セクションで構成される点などはこれまでと同じでしょうか。

そうですね。テストスタイルや時間配分は変わりません。リスニング5~495点、リーディング5~495点、トータル10~990点のスコアで5点刻みの点数配分も以前と同様です。

―テスト形式の変更前と変更後と、評価スケール(レベル)は同じでしょうか。

同じです。この点は、TOEICテストを採用している企業の方々がもっとも気にしていらっしゃることですので、10~990点の評価スケールと難易度を変えない、ということには細心の注意を払っています。変更後のスコアを現行のスコアと比較することが可能です。

日本では数多くの英語テストが提供されている

―英語力を測る試験は、TOEICテストのほかにも英検やTOEFLをはじめ各種あります。どのテストを受けたらいいのか迷うこともあると思うのですが。

日本には現在約60種の英語テストがあるといわれています。それぞれに目的と対象者があるからこそ、たくさんのテストが併存する意味があると思っています。私たちの使命は、TOEICテストに関する正しい情報発信をして、自分たちの目的にふさわしいと感じる企業に採用していただき、また、必要とする方に受験していただくことだと思っています。

%e8%a7%a3%e7%ad%94%e7%94%a8%e7%b4%99%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97―TOEICテストは、どのような英語学習者を対象にしているのでしょうか。

ビジネスの現場も題材の一つですが、いわゆる「アフター・ファイブ」の会話、ATMの使い方など、さまざまな場面が含まれています。ビジネスに特化したテストではありませんので、中学生や高校生のようにビジネス知識がなくても、英語ができればスコアはとれます。結果が合否ではなくスコアで出るのがTOEICテストの特長です。長期にわたって英語力が比較できますので、その時々の目標に合わせて使っていただきたいと思います。

―2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控えています。各種の接客現場や商店街などにも、英語の必要性に対する意識が広がっていると思いますが、TOEICテストはそのような方が話す英語という視点も入っているでしょうか。

そうですね。内容的には、インバウンドで外国人が来日した時の対応などの英語力も計っていただくことができるのではないかと思っています。

―TOEIC S&Wの必要性は企業に認識されていると感じていらっしゃいますか。

TOEIC S&Wのニーズは間違えなく高まっています。ただ、一般的にスピーキングやライティングテストは実施が大変で、受験料も高くなってしまうのが課題です。理想はネイティブによるインタビューですが、一人ひとり面接をして英語力を確かめるわけにもいきませんので、TOEIC S&Wはパソコンを介してということになりますが、100人受験者がいればパソコンがのべ100台必要です。ですので、全員に一斉に受験させるということではなく、ある程度、対象を絞って受験させるということになります。

―スピーキングに関しては、スコアが出ても、そのスコアだと実際どの程度のコミュニケーション能力があるということなのか、判断がつきにくいということはないでしょうか。

スピーキングテストのスコアについては、「日常コミュニケーションレベル」「海外出張レベル」のように具体的に示しています。一番わかりやすいのは、実際に社内の数名にトライアル的に受けていただき、「○点ならあの人ぐらいの英語力」といったモデルを作ることだと思います。私どもも、企業の人事担当の方のご依頼などで、トライアルのスコアのデータを元に社内の基準作りのお手伝いを行っています。

アジアでの日本人の英語力は?

―韓国人と日本人の英語力を比較されることが多いですが、実際はどうなのでしょう。

%e8%a9%a6%e9%a8%93%e4%bc%9a%e5%a0%b4%ef%bc%88%e8%a9%a6%e9%a8%93%e5%ae%98%e8%be%bc%ef%bc%89韓国人の方が高いですね。国のシステムの違いだと思います。韓国では、「国外に打って出ないことにはたちゆかない」という感覚が強く、英語に対する意識が日本に比べて圧倒的に高いのです。日本企業も韓国企業も英語ができる人材を必要としている点では同じはずですが、日本では英語だけを前面に出す採用はしません。英語ができる人に仕事を教えるより、仕事ができる人に英語を教える方が、結果的に企業として使える人材になりやすいと考えるからです。韓国では、英語力があることは最低限の応募条件であり、まずTOEICスコアが800点ないし900点の人が集まり、そこから英語以外の能力で選択されることが多いようです。

―国内に約60種の英語テストがあるということでしたが、TOEICテストの歴史と信頼性は別格ですね。

テストは、一度商品開発して終わりではありません。毎回違う内容で同じように能力を計れる高品質のテストを作り続けなくてはいけません。TOEICテストが長く続いているのは、テスト開発元であるETSが、それだけ品質維持に時間とお金をかけているからです。

―10年後、20年後を見据えたときに、TOEICはどのような存在になると思われますか。

10年以上前から「完璧な機械の翻訳システムができたら、個人の英語力は必要なくなる」とか、「小学生から英語が導入されて、みんなが英語をできるようになったら、ビジネスマン対象の英語の試験は生き残れない」などと言われていました。それでも実際は、TOEICテストの受験者は今も増え続けています。この状況は、今しばらくは変わらないと思います。ですから今後も社会のニーズにあったテストを提供し続けてまいります。

ビーバー教授の解説“受講者本人が目的に合ったテスト選びを!英語4技能試験情報サイトも開設”

なるほど、TOEICテストが見直されるのは、コミュニケーション・ツールの進化によって、英語を取り巻く環境が変わったからなのじゃな。

近年、グローバル化はますます進み、日本人にとっても英語力の向上は大きな課題となっておる。2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されるので、多数の外国人の来日が必須じゃ。あらゆる場面で、外国語を用いたコミュニケーションを行う機会が格段に増えるじゃろうな。

文部科学省も、日本の将来のために英語力の向上に力を入れようとしておるようじゃ。学習指導要領の基本方針に「小中高を通じて、コミュニケーション能力を育成し、『聞く』『話す』『読む』『書く』の4技能をバランスよく育成することを目指す」としておる。その文部科学省にて、平成26年12月、「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」が発足したぞ。つまり、英語の検定試験の特徴などを正しく情報発信して、国民の英語力向上に役立ててもらおうということじゃ。英語4技能試験情報サイトhttp://4skills.eiken.or.jp/が開設されておるから、英語のテストを受けてみようと思う人は、ここを参考にしてみるんじゃな。英語テストといってもいろいろじゃから、自分の目的に合った英語テストを選ぶことが大事なんじゃ。そうそう、英語テストは受けておしまいじゃないぞ。テストの結果から自分の弱点や課題が見つかるはずじゃ。テストをうまく活用して、英語力を磨いていくことじゃな。応援しておるぞ。

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