第48回 アメリカ留学中に専門商社でインターンシップ! 夢は「世界で通用するビジネスマン!」

「留学中に、現地でインターンシップを経験したい」

「せっかく留学するなら、英語だけではなく、国際的なビジネス感覚も身につけたい」

と思っている人はとても多いのではないだろうか。しかし、同時に「どうすれば留学中にインターンシップができるのか?」、「国際的に活躍するのに必要なスキルはどのようなものなのか?」など、具体的な情報も気になるところ。

そこで、今回お話を伺ったのは、現在、中央大学法学部4年の田村壮さん。「世界で通用するビジネスマンになりたい」という目標を掲げ、2015年8月から2016年の5月までアメリカ・ミシシッピ大学に交換留学制度を利用して留学。留学中は、シアトルの鉄鋼専門商社にてインターンシップを1ヶ月間経験した。

留学中のインターンシップのエピソードを中心に、「現地でのインターンシップの探し方」、「インターンシップ中の出来事」、そして、帰国後に感じた「世界で活躍するビジネスマンに必要なもの」や「留学の意義」について語ってもらった。

「留学」という新たな目標を持たせてくれたフランス人との出会い。 TOEFL対策は6週間のフィリピン留学で!

—まずは、留学しようと思ったきっかけを教えてください。

中央大学法学部4年 田村壮さん

中央大学法学部4年 田村壮さん

きっかけは、高校3年生のときにできたフランス人の友人でした。当時、高校生だった僕は、学校の英語教師以外の外国人とダイレクトに話をするのが初めてで、英語も今から考えるとひどい状態だったのですが、1つ年下だった彼女は全く違っていました。

というのも、彼女は僕より年下の17歳で、英語はもちろん、日本語もペラペラ。母国語のフランス語を合わせると、全部で3カ国語を話す事ができたんです。彼女の日本語はとても上手で、僕の英語と比べると外国語の習得レベルとしては、パーフェクトに聞こえるものだったのですが、それでも「日本語をまだまだ勉強したい!」と言っていました。

—17歳にして3カ国語をしゃべれるだけでもすごいのに、まだ自分に満足されていなかったのですね。

はい、その“意識の高さ”にはすごく驚かされました。単純に「負けてる」、「悔しい」って。当時の僕は、3年間続けていた部活を引退したばかりで、目標もなくダラダラ過ごしているような状態だったのですが、この友人と接しているうちに、「自分は何をやってるんだろう…」と、焦りを感じるようになったんです。

彼女とFacebookでやり取りをしているうちに、漠然と「自分も世界で通用するビジネスマンになりたい」と将来を意識するようになっていく事ができました。このときに初めて「留学をしてみたい」と思ったんです。

—そこからすぐに留学に向けて準備したのですか?

いえ、本格的に留学に向けて動き始めたのは大学に入ってからでした。「留学したい」と思っても、最初は何をどうしたらいいのかわからなかったのが正直なところでして…。とりあえず、大学に入学するまでの期間は、「TOEIC」を少し勉強した程度です。

—大学に入学後、留学に関する情報収集はどのように行ないましたか?

まずは、大学の“国際センター”によく足を運ぶようにしていました。国際センターには、先輩方の「どの国に留学して、どういう勉強をしたのか?」 という留学体験記や、「交換留学するのにTOEFLのスコアがいくつ必要なのか?」みたいな情報が載っている資料があったので、それを時間をかけて読むようにしていました。

—交換留学の審査では、TOEFLのスコアが80〜100(120点満点)ぐらい必要だと聞いたのですが、実際はいかがでしたか?

そういう話も多いのですが、実際、交換留学に必要とされるTOEFLのスコアは通っている大学や希望する留学先の大学によって違うんです。

例えば、「“留学希望者”や“英語ができる帰国子女”が多い大学」だと、「競争率が高いので、希望の留学先に行くには、TOEFLのスコアが90ぐらいないと厳しい」という話を聞いたことがあります。ですが、僕の場合、最終スコアは75で行けてしまいました。

TOEFLのスコアによって、行ける交換留学先の選択肢も変わってくるのですが、僕のときは、行けるところは結構ありました。あくまで、僕の主観なのですが、スコアは80くらいあれば、選択肢はかなりあったと思います。

—なるほど、まずは“希望の留学先に行くのに必要なスコアがどのくらいか?”を調べるのがよさそうですね!スコアアップのための対策は何かされましたか?

僕の場合はフィリピンに6週間の短期留学をして対策しました。というのも、TOEFLが苦手だったのもあったのですが、もっと大きな問題とし“コツコツ勉強する”というのがあまり好きではなかったんです(苦笑)。なので、「即効性を狙える勉強法はこれだ!」と思いまして。

短期留学の場合、費用の問題があると思うのですが、僕の大学の学部では、短期留学に対してもらえる奨学金制度があったので、それを使わせていただき、大学1年の春休みにフィリピンに行きました。

—なるほど。奨学金にも色々な種類があるのですね!ちなみに、アメリカに行くとき、お金はどのようにして持っていかれたのですか?

僕の場合は、“りそなvisaデビットカード”の口座を日本で作って、それを持って行きました。アメリカはデビットカードが日本より普及していて、だいたいどこに行ってもカードで買い物ができましたし、現金が欲しくなったら、現地のATMで直接おろすことができるので、便利なんですよ。

確かに、この方法だと、ATMで現金を下ろすときに、手数料が3ドルぐらいかかってしまうデメリットはあるのですが、現地口座を作った場合にも、日本から現地の口座に入金してもらうときに、結局、国際送金手数料がかかってしまうデメリットがありますので、この方法の方がめんどくさくなかったように感じます。

あと、デビットカードの他に、日常の支払いには、日本から持って行った“クレジットカード”も合わせて使っていました。

予定していたインターンシップがキャンセルに…田村さんが現地で探した方法とは!?

—続いて、留学中のお話を聞かせてください。インターンシップ先は事前に決めていかれたのですか?

はい、インターンシップ先については、留学前に決めていきました。運よく紹介してもらった、ロサンゼルスの物流系の会社でインターンできる予定だったのですが、ここから先が大変でして…

—「仕事内容が大変」という事でしょうか?

いえ、色々な事情が重なり、インターンシップそのものがキャンセルになってしまったんです。これはとても大きなトラブルで、かなり苦労しました。「海外でどのようにビジネスが行われているか、どうしても見たいです。無給でいいから現場にいさせてほしいです!」と必死でお願いしたのですが、それも叶わず…

—それはとても大変でしたね! その後どうしたのですか?

まずは、そのことを留学先の大学の国際センターに相談しました。ただ、そこで薦められたのは、“ボランティア”や“フィールドワーク”だったんです。自分の目標は「世界で通用するビジネスマンになる」でしたので、やはりそれでは納得できなくて…

ですので、改めて「(目標達成のためには)インターンしかない!」と、思い、再度、自力で探すことにしました。

—でも、“自力で探す”と言っても簡単な事ではないと思うのですが、どのように探されたのでしょうか?

はい、とにかくやり方がわからず、最初はすごく困りました。まずは、手探りでFacebookのビジネス版のようなサイトで“リンクトイン(Linkedin)”というものがあるのですが、それを使って探し始めました。

ただ、そのときに知ったのですが、アメリカのインターンシップは日本のインターンと違って、ある程度“具体的なスキル”が求められるんです。例えば、学生でも、“エンジニアリング”や“会計”を勉強している人などです。これは、現地の企業ではなく、トヨタや日産といった日本企業の海外支社でも同じでした。単なる交換留学生である僕には、これといったスキルがなかったので、これが大きな壁になってしまいました。

—なるほど、インターン生であっても何らかの専門性が求められたのですね。では、最終的にどうやってインターン先を見つけられたのですか?

最終的には“知人の紹介”で何とか見つけることができました。日本で学生支援や国際交流のサポートを行っているNPO法人があるのですが、そこにたまたま知り合いがいたんです。その方にSkype経由で相談してみたところ、シアトルの鉄鋼専門商社を紹介してもらえることになり、無事に3月から1ヶ月インターンさせてもらえる事が決まったんです。

—なるほど。やはり、現地でインターンをするのであれば、日本にいるときからの情報探しをしておいた方がよさそうですね!

はい、現地で何もない状態からインターン先を探すのはとても大変だと思います。今回のようなことは珍しいケースかもしれませんが、行く前に受け入れ先の確保はもちろん、念入りに情報収集をしていくことが大切なのだと痛感させられました。

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インターン中に取引先の方々と食事に

インターン中に取引先の方々と食事に

—さて、やっと決まったシアトルの鉄鋼専門商社ですが、ここはどんな会社だったのですか?

この会社は、台湾や中国など各国の鉄鋼メーカーから、鉄鋼製品を仕入れて地元のホームセンターに卸したり、建設会社と協業してビルや街作りに携わったりしている会社でした。規模は、社長の他、作業員が15〜20名ぐらいと、スタッフが6名ほどです。その他にも、営業マンが2〜3人いたので、全部で30名ぐらいの会社でした。

—田村さんはその中で、どのような仕事をされていたのですか?

最初の一週間はひたすら、鉄骨の値段をエクセル表に入力するデータ入力の仕事です。あとは、鉄骨の知識をたくさんつめこまれる日々でした。

—「世界で通用するビジネスマン」になるためには、少し物足りなさそうにも聞こえてしまうのですが、その点はいかがでしたか?

はい、僕としてはせっかくシアトルまで来たのだから、「海外で働くとはどのようなものなのか?」「トレーディングビジネスの現場は、どうなっているのか?」などを見たかったので、それは強く感じました。

ただ、インターン探しの時に、自分には専門知識やスキルもないことを身にしみて感じていたので、そこは「しょうがないかなぁ」とは思ってもいました。

—何か、この状況を改善するために対策はされましたか?

対策というほどのものではないのですが、「人から頼まれたことを一生懸命やる」というのをひたすら守るようにしていました。

何もできない状態で、「どうやって自分に付加価値をつけるのか?」というところを考えると、「もう、それしかない!」って思っていたので。みんなが嫌がるような仕事も、頼まれれば黙って引き受けていました。

—例えば、どのような仕事でしたか?

例えば、インターンを開始して1週間目の最終日に、「会社に溜まった7年分の伝票を整理して片付けるから手伝って欲しい。」と社長に言われたんです。

段ボールを運ぶ単純作業だったのですが、社内の人たちは「自分は絶対にやりたくない」という顔で。「お前、そんな仕事は断れよ」と言ってくれる人もいたくらいです。ですが、僕はそこでも、ひたすら真面目に取り組むようにしていました。

その甲斐があってかどうかは、わからないのですが、社内の方たちが「あいつ、あんなことまでやってえらいな」っていう目で見てくれるようになり、会社の人たちが、だんだんと、僕を受け入れてくれるようになったんです。

—仕事を真面目に取り組むことによって、自然と周りと打ち解けていったんですね。その他、インターン先で意識していたことはありますか?

あとは「周囲となるべく雑談をしてコミュニケーションを計ろう」という事を心がけていました。人の話をしっかり聞いて、わからないことはちゃんと聞いたり、などです。これは、社長にも「君は、人と話すときに、ちゃんと目を見るのがいい」と、よく褒めていただけました。

先ほどの、「嫌な仕事を嫌がらずにやった事」と合わせて、僕の姿勢を評価してくださったのか、インターン2週間目から社長が商談や営業先など、色んな所に連れて行ってくれるようになったんです。

—努力が実ったのですね。

はい。あと、社長は僕の気持ちを察してくれていたのかもしれません。おかげで、2週間目からは、色々なことを学べました。

—具体的にどのような事が学べたのでしょうか?

もちろん、商談そのものに立ち会えるのもすごく勉強になりましたし、他には、“商社のビジネスの存在価値”を知ることができたのも貴重な体験でした。

例えば、この会社では、様々な種類の製品を扱い、“水に強い鉄骨”のように、その製品に付加価値をつけるように工夫していたんです。また、より多くの種類の鉄鋼を仕入れるために、倉庫を大きくしたりして純利益を伸ばしていました。

僕自身、「商社がいらないと言われている時代に、どうして商社が生き残れるのだろう?」という疑問があったのですが、“いかにして会社の価値を高めていくのか”を現地で学べたのはすごく貴重な体験だったと思います。

—お話を伺っていると、外国人環境の中で、普通に仕事ができていたように聞こえるのですが、インターン中に英語力での苦労はなかったのでしょうか?

その点ですが、僕が経験したインターンシップですと、仕事内容は、お金を扱うような責任が大きいものがなかったので、日常会話ができる英語力があれば充分でした。なので、英語が多少できるようになったあとであれば大丈夫だと思います。

ただ、英語に関しては「周りの人に気を遣ってもらっていたな」、と感じていました。例えば、社長と従業員が話している会話は、ネイティブな発音で50%ぐらいしか聞き取れなかったんですけど、みんな僕に対してはこっちが理解できるように気を使って話してくださっていました。

そういう意味では、「もっとがんばれたかな」という悔しさもあるのですが、他にも持ち帰った様々な課題と合わせて、「それを今後につなげたい」と思っています。

アメリカで気づいた、僕が「世界で通用するビジネスマン」になるために足りないもの

ニューオリンズのMardi grasというお祭り

ニューオリンズのMardi grasというお祭り

—留学が終わった今、「世界で通用するビジネスマン」とはどのようなものだと感じられますか?

まず思っているのが、「海外に行けば、世界で通用するビジネスマンになれる」というものではないという事です。

ミシシッピ大学に留学する前に、海外で活躍されている大学のOBの方たちにお話を伺う機会があり、「日本でも通用する人じゃないと海外で通用する人にはなれない」というアドバイスを頂いたのですが、この意味が留学してみてよくわかったような気がしています。また、“英語ができるから世界で通用する”というわけではないということに気づかされました。

—それでは、どのようにすれば「世界で通用するビジネスマン」になれると感じられますか?

僕が大切だと感じたのは「自分の強みを明確にする事」です。もちろん、英語力も大事だと思うのですが、その前に、“自分の専門性を磨く事”や“できるスキルを増やす事”。また、そのためにはキャリアを積む事が大事だと感じています。

極端な話になりますが、高い語学力が海外で活躍する条件であれば、通訳をつけるなどして解決する事もできるわけですし。なので、僕が留学して思ったのは、「今の僕が世界で通用するビジネスマンになるためには、ちゃんとしたキャリアを日本で積むことなのかな」と、帰国した今になって思います。

—それはインターン先を自力で探しているときに“スキル不足”を実感したからですか?

それはかなり大きかったです。というのも、インターン探しのときに、僕が英語で書いた履歴書がものすごく味気なかったんですよ。例えば、「どういった経験があるか?」の欄で書けることといえば、“酉(とり)の市で車を売ってました”や“カフェで2年間バイトをしていました”みたいなことだけでした。この状態では「世界で通用するビジネスマン」とは言えないと思います。

また、これも先輩からいただいたアドバイスなのですが、「日本でダメなやつは世界でもダメ」という事も現地にいってその通りだと感じました。やはり、先ほどの話と重なるのですが、スキルや専門性はすごく大事だと思います。

なので、これから、仮に日本の商社に務める事になったとしても、「3年間はこういう仕事をしていたので、こういうことができる」、「会計士の資格がある」、みたいな「日本でも世界でも通用するような武器を身につけることから始めたいな」と今は思っています。

—これまでのことをふまえて、田村さんが考える“留学の意義”とはなんでしょう?

これは、あくまで僕個人の意見なのですが、留学は、「“留学する意味”を本当に感じたときにするもの」だと思います。

例えば、英語の勉強だけだったら、今は日本に居ても充分にできると思うんですけど、そうではなくて、「自分が海外で学びたいものが何か?」「海外でなければいけない理由は何か?」がしっかりとあるからこそ、留学は有意義なものになるのだと感じています。

もちろん、目標は人それぞれだと思いますし、その目的や目標を見つける事自体、大変な事だとも思います。ただ、それを一生懸命考える事も、留学においては大切な事だと感じています。

僕自身も多くの挫折があったり、悔いを残したりはしましたが、「世界で通用するビジネスマンになりたい」という目標があったおかげで、大変だったときに、身に付いたことや、気づけたことがたくさんありました。なので、留学するときには“自分で納得できる目的を考える事”がすごく大切だと思います。

ビーバー教授の解説“目標が、あなたの留学をもう一押ししてくれる”

いかがじゃったかな?田村さんのアメリカ留学。ポイントは「自分の目標のために妥協しなかった事」じゃ!

留学中には、インターンシップに限らず、ボランティア、フィールドワーク、また、現地でのイベント・セミナーなどできる事がたくさんある。だが、選択肢が多いだけに、“何を選んだらいいか”がわからず、また、“ただ参加しただけで、何も得られなかった”という事もよく耳にする。

では、なぜ、インターンシップ先が見つからなかった田村さんが妥協せずに、最後まで粘れたのか?それは、「世界で通用するビジネスマンになる」という目標があったからじゃ。

「世界は広い」。留学中にあなたの可能性を広げるためには、目標や夢を持って、留学に行くのが大事。

ぜひ、留学先では語学の他に、あなたの目標や夢を叶えてほしいのじゃ。